眠気や生活への影響でお困りの方へ
花粉症やアレルギー性鼻炎の治療で、もっともよく使われる薬の一つが抗ヒスタミン薬です。
くしゃみ・鼻水・かゆみといったつらい症状を抑える効果があり、多くの患者さんにとって欠かせない治療薬です。
一方で、
「薬を飲むと眠くなる」
「学校や仕事に支障が出る」
「効いているのか分からないまま続けている」
といった声も少なくありません。
抗ヒスタミン薬は、正しく選び、上手に使うことで、効果と生活のバランスを取ることができる薬です。ここでは、眠気を中心とした注意点や、薬との付き合い方について分かりやすくご説明します。
抗ヒスタミン薬の働き
アレルギー性鼻炎では、アレルゲン(花粉など)が体内に入ることで「ヒスタミン」という物質が放出され、くしゃみ・鼻水・かゆみなどの症状が起こります。
抗ヒスタミン薬は、このヒスタミンの働きを抑えることで症状を軽くする薬です。
症状を根本的に治す薬ではありませんが、日常生活を楽にするための重要な治療手段です。
なぜ眠くなることがあるの?
抗ヒスタミン薬の副作用としてよく知られているのが眠気です。
これは、ヒスタミンが脳の覚醒にも関わっているため、薬の影響が脳に及ぶと眠くなりやすくなるためです。
また、集中力・判断力低下(インペアード・パフォーマンス)を引き起こすため、服用後の車の運転や危険な機械操作は原則控えるべきです。
特に、
- 昔から使われているタイプの抗ヒスタミン薬
- 体質的に薬の影響を受けやすい方
では、眠気が強く出ることがあります。
お子さんの場合、
「授業中にぼんやりする」
「集中力が続かない」
といった形で現れることもあり、保護者の方が気づきにくいケースもあります。
「眠くなりにくい薬」もあります
現在は、眠気が出にくいとされる新しいタイプの抗ヒスタミン薬がいくつもあります。
ただし、「絶対に眠くならない薬」はなく、どの薬が合うかは個人差があります。
また、
- 年齢
- 体重
- 生活リズム(登校・登園時間、部活動など)
- 併用している薬
によっても、向き・不向きは変わります。
「眠いけど、仕方ないと思って飲んでいる」
「効いているか分からないけど、毎年同じ薬を出されている」
という場合、薬の見直しで状況が改善することは少なくありません。
運転と第2世代抗ヒスタミン薬
運転可能(眠くなりにくい)
・ビラスチン
・フェキソフェナジン
・デスロララタジン
・ロラタジン
運転注意
・エピナスチン
・エバスチン
・ベポタスチン
抗ヒスタミン薬を上手に使うコツ
① 生活リズムに合わせて飲む
眠気が出やすい方では、
- 夜に内服する
- 学校や仕事がない時間帯に合わせる
といった工夫で、日中の影響を減らせることがあります。
② 「効きが悪い」「つらい」は我慢しない
薬は「効く・効かない」だけでなく、
生活に合っているかどうかがとても大切です。
- 鼻水は止まるが、眠くて困る
- 眠くならないが、症状が残る
どちらの場合も、調整の余地があります。
③ 毎日飲む薬・必要なときに使う薬を整理する
抗ヒスタミン薬には、
- 毎日継続して使うタイプ
- 症状が強いときに使うタイプ
があります。
ご自身やお子さんの症状に合わせて、使い分けを相談することが可能です。
市販薬と処方薬の違い
市販の抗ヒスタミン薬は手軽に購入できますが、
- 種類が限られる
- 眠気が出やすいものも多い
- 用量調整が難しい
といった側面があります。
一方、医療機関では、
- 年齢や症状に合わせた選択
- 副作用を考慮した調整
- 他の治療(点鼻薬など)との組み合わせ
が可能です。
「市販薬でしのいでいるけれど、限界を感じている」
という方も、相談だけでも受診する価値はあります。
比較的副作用の少ない市販薬
アレグラFX(フェキソフェナジン)
クラリチンEX(ロラタジン)
アレジオン20(エピナスチン)
薬を変える=特別なことではありません
「処方を変えてもらうのは気が引ける」
「先生に言い出しにくい」
そう感じる方も多いですが、薬の調整は治療の一部です。
実際の生活で困っていることを教えていただくことで、より合った治療が選べます。
- 眠気が心配
- 学校生活に影響が出ている
- 毎年同じ薬でいいのか不安
どんな理由でも構いません。
当院での考え方
当院では、抗ヒスタミン薬を「出して終わり」にせず、
生活への影響も含めて一緒に調整していくことを大切にしています。
- お子さん本人の様子
- 保護者の方の気づき
- 学校や家庭での困りごと
を踏まえ、無理のない治療を目指します。
「ちょっと相談したいだけ」
「今の薬が合っているか確認したい」
そのような受診も、どうぞ遠慮なくお越しください。
抗ヒスタミン薬は、上手に使えば、日常生活をしっかり支えてくれる薬です。
一人で悩まず、ぜひ一度ご相談ください。
また当院では一度受診していただければ、その後の薬剤の変更・調整はオンライン診療でも可能です。
わざわざ時間を割いて通院いただく負担もございませんので、ご活用下さい。
