患者さん・ご家族が日常生活でできる対策
花粉症(アレルギー性鼻炎)の治療では、薬や舌下免疫療法とあわせて、日常生活でのセルフケアがとても重要です。
特に小学生〜中学生のお子さんは、生活環境の影響を受けやすく、ちょっとした工夫で症状が大きく変わることもあります。
ここでは、患者さんやご家族が家庭で無理なく取り組める花粉対策について、分かりやすくご紹介します。
花粉を「家に持ち込まない」ことが第一歩
花粉症対策の基本は、花粉との接触をできるだけ減らすことです。特に大切なのが、屋外から室内へ花粉を持ち込まない工夫です。
帰宅時のポイント
- 玄関に入る前に、衣服や帽子を軽くはたく
- コートや上着は、可能であれば玄関付近で脱ぐ
- 帰宅後は、早めに手洗い・うがい・洗顔を行う
顔や髪の毛にも花粉は付着します。特にお子さんは、外で活発に動く分、花粉を多く付けて帰ってくることが少なくありません。
マスクとメガネの効果
マスクの役割
マスクは、花粉の吸い込みを減らすだけでなく、鼻やのどの粘膜を保湿する効果もあります。
乾燥した粘膜は刺激を受けやすく、症状が悪化しやすいため、マスクの着用はとても有効です。
- すき間の少ないサイズを選ぶ
- 不織布マスクがおすすめ
- 汚れたら早めに交換する
メガネの役割
花粉は目の粘膜からも侵入します。
通常のメガネでも、目に入る花粉を約30〜40%減らせるといわれています。
花粉症用のゴーグルタイプでなくても、普段使いのメガネで十分効果があります。
「外遊びや通学時だけメガネをかける」など、無理のない形で取り入れてみましょう。
コンタクトレンズと花粉症
コンタクトレンズは生体ではないので付着した花粉が除去されにくく、アレルギー性結膜炎を悪化させてしまいます。
花粉症の時期は無理せずにメガネを着用するにしましょう。
もしそれでも「コンタクトじゃなきゃ嫌だ」という方は、花粉症の時期はワンデイタイプに切り替えてください。
洗濯の工夫:花粉をためない・広げない
洗濯物は、花粉が付きやすいポイントの一つです。
洗濯時の注意点
- 花粉の多い日は、部屋干しを基本にする
- 外干しする場合は、取り込む前によくはたく
- 柔軟剤を使用すると、静電気を抑えて花粉の付着を減らす効果が期待できます
また、衣類の素材にも注目しましょう。
ウールなどの素材は花粉が付きやすく、綿やポリエステル素材の方が比較的付きにくいとされています。
掃除のポイント:床と空気を意識する
室内に入り込んだ花粉は、床やカーテン、ソファなどにたまります。
効果的な掃除方法
- 掃除機は、朝よりも夕方以降にかける
- いきなり掃除機をかけず、先に濡れ雑巾やフローリングワイパーで拭く
- カーテンやラグも、定期的に洗濯する
空気清浄機を使う場合は、人がよく過ごす部屋に設置し、フィルターの定期的な清掃も忘れないようにしましょう。
生活リズムを整えることも大切
花粉症の症状は、体調や生活習慣によっても左右されます。
- 睡眠不足を避ける
- 朝食をしっかりとる
- 規則正しい生活を心がける
特にお子さんの場合、疲れがたまると症状が強く出ることがあります。
鼻づまりで眠りにくい場合は、寝る前に入浴して体を温めたり、部屋の湿度を保つことも有効です。
「これを食べれば治る?」に注意
インターネットやSNSでは、花粉症に効くとされる食品やサプリメントが紹介されることがあります。
現時点では、特定の食品だけで花粉症が治るという確かな根拠はありません。
バランスのよい食事を心がけ、自己判断での極端な食事制限や過剰摂取は避けましょう。
気になる健康食品がある場合は、受診時にご相談ください。
学校生活での工夫
学校では、花粉対策が難しい場面もあります。
- 体育の後は、手洗い・洗顔を意識
- ティッシュや替えのマスクを持たせる
- 症状が強い時期は、早めに医師へ相談
「授業に集中できない」「鼻水が止まらない」などの状態が続く場合、治療の見直しが必要なこともあります。
セルフケアと医療を組み合わせて
花粉症は、セルフケアだけで完全に抑えるのは難しい病気です。
しかし、日常生活での対策をしっかり行うことで、症状を軽くし、薬の効果を高めることができます。
当院では、薬物療法や舌下免疫療法に加え、ご家庭でできる対策についても丁寧にご説明しています。
「どこまで対策すればいい?」「子どもに合った方法を知りたい」
そんな疑問があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
